「だいたいさ、涼は…」
ープルルルル…
「あ、ちょっとごめん」
タイミングよく?携帯が鳴った。
相手は………涼?
涼から電話なんて珍しいわね…。
どうせ、“あの子”のことだろうけど。
そう思いつつ、電話に出た。
「もしもし?」
『もしもし、姉貴?』
涼は那美のことは呼び捨てで呼ぶのに
あたしのことは、“姉貴”って呼ぶ。
それだけでもわかる。
涼にとって那美は、姉でも家族でもなく、
1人の“女の子”なんだと。
「珍しいね、あんたから電話なんて」
『那美、姉貴の家にいる?』
ほら、ね。
涼は那美関連以外のことで
あたしに電話して来ることはない。
輝とはこまめに連絡取り合っている
みたいなんだけどね。
「来てないけど、どうして?」
ちょっと意地悪しちゃおうかしら?
ふとそう思ったあたしは、ウソをついた。
ウソだとバレたら怒られるだろうけど。
『家にいないんだけど』
「そんなの知らないわよ。誰か友達の家じゃないの?それか、彼氏の家とか」
『…………彼氏?』
まぁ…あの子は彼氏どころか、
童貞って言葉すら知らないから
ありえないけどね。

