女装白雪姫

「お…お母っさん!
嫌…だよぉ!
行かないでぇー!
ねぇ…返っ事して…よ。」


いつもとは違い子どもっぽい台詞ばかりが頭をよぎる。


お兄様が来たみたいだ。


それでも私は泣き続けた。


声を枯らして叫んで叫んで…
どんなに叫んでもお母様はもうもどらない。


静かな城内に私の声だけが響き渡っていて。


それがとても虚しくて
反響してくる私の声が妙に私の悲しみを大きくした。