「あれ、雨…?」

ーーー1時間後


『ただいまあ。ねえ沙恵~』

留亜帰宅。

だけど、寝たふり。


『沙恵?あ、寝てる…。』


そう言ったきり、喋らなくなった留亜。


ふわっ…

留亜の匂いがすぐ近くにきた。

えっ…なに…?


『沙恵、好き…』

はっ?はっはっはあっ?!

ちょ、耳元で言わないでよ!


『なんで、俺の方向いてくんないの?』


私も、好きだよ?


『愛してる…』


"ちゅっ…"

私の頬に柔らかいものがあたった。
き、キス、された…ほっぺだけど…うそ…!


『ごめんね、やだったよね。
うわ、俺なにやってんだろ。』

そう言って、私の頬を留亜の服の袖で拭った。

そして、

『俺、さいてー。』

そう呟いてる。


また、留亜の匂いがすぐ近くにきた。

さっきより近い…?

そう思った時だった。

『よいしょっ。』

体がふわっと浮いた。


…え?


え?
えええぇぇぇ?

お姫様抱っこされてるよ!

どうしよ…

『てゆうか、沙恵って寝言言わないのかな。いつもひどいのに。』


な、なんと…!

隣の部屋まで寝言が聞こえていたなんて!

『ほんとは起きてたりして…?』

や、やばい…!

じゃあ、言わないと!
起きてたら絶対言わない言葉!

なんだろ…


あ、ある。


「留亜…好き…。」

『…え!うそ。
わ、ね、寝言?!///

びっくりしたあっ!』


てゆうか耳元でうるさい。
騒ぐなバカ。
言わなきゃよかったかも…