broken、robot。

「っ…!?そ、それ!」

『でしょ?佑夜くんのでしょ?』

「よく分かったね…。」

『だってどうみても男物だし。』


ペアのピンキーリング。

『沙恵、いつも付けてるし。』

「あ、だ、だよね…。
捨てられなくて…どこにあったの?」

『ソファーの下に…。』

「そっか…ありがと。」

留亜は悲しげに微笑む。



『優しいんだね。』

違うの、私優しくないの。
素直になれないだけなの。

…あなたがすきなの。

『そういうとこ、好き。』

私は、あなたの本物の優しさが好き。

私は、偽りの優しさだから。

「じゃあ、よろしくね、墓参り。」


『らじゃっ!行ってきます!』

「え、今行くのっ!?」

驚いた。


『だめ?』

「いや、ダメじゃないけど。」

『早い方がいいでしょ?』

…あなたの場合、早過ぎだから。


「んじゃ、行ってらっしゃい。」

『うん、行ってきます!』


ガチャッ

勢いよく扉が開いた。

バタンッ

閉まった。