broken、robot。

「そ、それって…どういうこと?」

あきらかに動揺していた。

『んーっと、だからもっとこぅ…そのほら、くっついて来てもいいというか、その…』

「変態っ!」

どうせそのコトバも計算でしょ?

『ごめん、ごめん。

そ、そそそんな変な事考えたりとかしてないって!

なんでもできるけど…』

最後に意味ありげな事をいうんだから、その言葉に信用なんてもてない。

「じゃあどういう意味よ。」

『ほら、俺、恋愛用に作られたからそういう事も…出来るってこ、とです。』

確かに私には彼氏がいない。
結婚する予定だったのに…

それでも、
今こうして
ふざけたり出来るのは

留亜のおかげなのかもしれない。


「…ありがと。」

ボソッと呟くように言う。

『え、意外な反応!

“私そんなに欲求不満じゃないわよっ!”

って、殴られるかと思った。』


何なんだコイツは。
殴られると分かって言ったのか。

「ばかじゃないの。」

『へへっ♪

俺ね、幸せ。』

「いきなり何?気持ち悪い。」

『いーいのっ♪

沙恵~。ほんと好き。』

「勝手に言ってれば?

………計算ロボット。」


『俺は恋愛ロボットっ!』

「それって計算しながらやってるわけでしょ。完璧な計算ロボットじゃない。」


『…でも、沙恵が好き。』

「そういうシステムなのよ。」

『だとしても、俺はずっと沙恵と一緒に居たい。』

計算、これは計算…

「私は、嫌。
何でロボットに人生振り回されなきゃダメなわけ。
恋愛ごっこは勝手に一人でやって。」

巻き込まないで、これ以上…

私の感情を。