ｂｒｏｋｅｎ、ｒｏｂｏｔ。

『沙恵？

沙恵はどおして


おちこぼれ、なの？』


いきなりそんな事を聞かれても困る。
「なんで。」


『だって、
沙恵はかっこいいし、

美人さんだし。


…スタイルいいし。』

「ロボットのくせに変態なんて最悪ね。」


ちょっと冷たくしてやった。
だって、外見ばかり言うから。

『えぇっ！？

い、今のもセクハラ？』


「もぅ、私寝ますから。

静かにして下さい。」

『……はぁい…。』

しゅんとしている。

「…嘘ですよ。

寝るのは嘘じゃないですけど…

いいですよ、騒いでいても。

私どこでも寝られますから。



そうだ…！
そういえば。

ロボットさんの名前って？」


『君が決めてよ。』

「え…」

『ロボットって結局はペットみたいなものなんだよね。』

「そ、う、なんだ…。」

『だから…ね？』

何故、彼は悲しそうな顔をしているんだろう。

そして、呟いたんだ。
『自分で名前が決められるシステムだったら良かったのに…』

って。

「どういうこと？」

思わず、聞き返した。

『…なんでもないよ。』

その顔、なんでもない顔じゃないよね。

私、知ってるかもしれない。
その顔のわけ。

「佑夜なんて名前…


あなたに付けないよ？」


そんなにいい名前、あなたにつけるわけないじゃない…

『…ほんと？』

「なんでそんな嬉しそうなの。
悲しむところ、でしょ？」

『なんで？


…俺は沙恵が好きなんだよ。』

「あっそ…

私は嫌い。


じゃあ、留亜(ルア)でどう？」


『わあ、かっこいい！

ありがと沙恵！』

「それ、
昔、私がチャットで使ってた

名前だから。」

『へえ。
沙恵ってチャットとかすんだ。』


「…悪い？

私、もう寝るから。

おやすみ。」


部屋の明かりを消した。