アイシング、マイラブソング

『私は…あなたの月になりたい…あなたは太陽…あなたに照らされて、私は輝ける』

『さつき…』

『私…月になってあなたのそばにいる…さみしくなったら、夜空を見てね…』

『わかった。わかったからっ』

『…愛してる』

『さつき、俺も愛してる』

『…また、ね…』

『いやだ、さつき目え開けて』

『残念ですが…』

『先生、嘘ですよね?さつき…さつきぃ…!!』


「うぅ…」

千架はあの時のように泣いていた。

この時は僕も見る余裕があったから、
今度はきちんと観ることができた。


不覚にも、
少し涙ぐんでしまった。
感動した。


恋人同士の主人公を自分たちに重ね、

感情移入することが出来た。

こんな風に恋愛映画を観たのは初めてだった。


「何度観ててもいい話…」


「だな」


「あ~また泣いちゃった…化粧がとれちゃう」



ここぞとばかりに手を伸ばした。


付き合う前に映画を観たときには拭えなかった千架の涙。

今は完全に僕の役目だ。


「悠…ありがとう」