アイシング、マイラブソング

「キレイにしてるじゃん!汚いって何度も言うから、覚悟してたんだけど」


「清潔感あふれてるだろ?」


「昨日、一生懸命片付けたんでしょ?」


僕はつい “ギクッ”の顔をした。


「よくお分かりで…」


「ベランダにゴミ袋がふたつ」


「あれは前から…」


「昨日は夜までたくさん雨降ったのに、ゴミ袋の中が湿ってないもん。…どうやらあれは昨日の夜以降のゴミに間違いないわね」


千架は途中から、テレビドラマでよく聞くような推理をしている女刑事の口調をわざとやった。


「…ハイその通りです…探偵になれば?」


「無理無理!細かく言ってゴメンね。別に気にしてないよ。それより、あたしが来るためにわざわざ掃除してくれてありがとう。気遣ってくれて嬉しいよ!」


千架はけなした後でも、
きちんとフォローを入れてくれる。


彼女のアメとムチが、
毎回僕にとって心地よい刺激となる。


別に僕はマゾではないはずだが…。