「杉浦?早く飲まないと冷めるぞ」



「あっ、飲みます」



北条さんに言われたもんだから、慌ててカップを出にとりカフェモカを口に含んだ。




「あっ熱っ!!」



「何やってんだよ?馬鹿な奴」


そう言いながらも北条さんは氷水を持ってきてくれた。





「ありがとうございます」


「杉浦さん、いくら大好きな…ぅ」



柴咲くんがいきなりなんか言うもんだから、テーブルから身を乗り出して柴咲くんの口を塞いだ。




(ちょっと!北条さんの前で変なこと言わないでよ!)



(まだ何も言ってないじゃん)



柴咲くんは誇らし気な顔でニヤッと笑った。




…柴咲くんってSかも




「なんか、仲良くなったな…お前ら」



「へ?…そっそうかなぁ~」




確かに柴咲くんとの距離は縮まったけど…




「そうなんですよ。今日なんか実は、二人で遠足抜けて来ちゃったんすよ」


「ちょっ!」



何言ってくれちゃってんの柴咲くん!?




「…遠足を抜けて来た?…若いっていいな。まぁ、ゆっくりしてけよ。今日は客が少ないから」



「そうさせていただきます」




北条さんは私と目を合わせないで、私達の席を離れていった。