「ちょっと待って、杉浦さん」
「柴咲くん!」
見つからないよう玄関の外に出たかと思ったら、突然玄関のドアが開いて柴咲くんが現れた
「黙って帰んなよ!送ってぐ」
「親子水入らずでしょ?悪いよ」
「そうなれたのは杉浦さんのお蔭でしょ?遅らせて」
そう言われながら、アパートから強引に出されたため
しょうがないから送ってもらうことにした。
「…なんか、よく考えてみれば俺…超カッコ悪い現場見られたんだよね」
「そんなことないよ。柴咲くんのお父さん含めて超かっこよかった」
いつの間にか、私のバイト先の付近に来ていた
今頃、北条さん頑張ってるんだろぉな~
なんて考えてると、隣を歩いてる柴咲くんは何かを思いついたかのような笑みをしてこっちを向いた。
「お礼しなくちゃな」
「え?いいよ、そんなの」
「いや、強制だし」
「あっ、ちょっと!」
柴咲くんに手をひかれてやってきたのは…
「おっ、いるじゃん」
「…そりゃあいるよ」
「一度食べて見たかったんだよ。ここのケーキ」
私のバイト先でした。