「いっぱいあって迷うなぁ」
「俺は決まった!早く決めないと店員呼んじゃうから」
柴咲くんが急かしてくるもんだから、素早く決断しオムライスを頼んだ。
「…うわぁ美味しそう」
「見た目はまあまあ…味は…いまいち」
柴咲くんは注文したハンバーグを食べてそう言った。
「ちょっ、店の人に聞こえちゃうよ!」
「そういえば…北条さんだっけ?料理うまかったよな」
「北条さん!?うんっすごく」
北条さんって言葉にテンションが上がる私…
やばいやばい、柴咲くんに私が北条さんのこと好きなのバレちゃうよ
「…でっでも、なんでこの店に?」
話しを逸らそうと話題を変えると、柴咲くんの表情が変わった。
「…この店、昔は俺の母さんが経営してたんだよ」
あぁそっか…
時々見せる、柴咲くんの悲し気な表情はお母さんを思い出してる表情だったんだ
聞いたことある
柴咲くん、女子に人気があって噂で聞いたことがあるから
…柴咲くんが小さいときに亡くなったって
「お母さんが経営してたの?」
「あぁ。母さんが亡くなってからは経営出来なくなって店を売りに出してたんだけど…最近買いてが見つかったって連絡があって…どんな奴が買ったのか見てみたかったんだ」
…そうだったんだ
もしかしたら、お母さんが亡くなったことが柴咲くんの今の仕事に関係してる…ってこと?
もしかしたら、
今の柴咲くんならホストクラブで働きゃなきゃいけなかった理由を教えてくれるかもしれない