あれから一週間が経った
学校で会う柴咲くんは、今までとなにも変わらない
私は誰にも、柴咲くんが夜の仕事で働いているということを話していない
…北条さんにも
北条さんは何かを感じとったのか、あれから柴咲くんのことを何も聞いてこない
「何、ぼけ~っとしてんの?遠足真っ最中だよ?」
「ちづちゃん!」
そう、今日は待ちにまった遠足当日
「杉浦、腹減ったんじゃねえの?飯食べよ~ぜ」
「夏海はアンタとは違うの!腹減ったんなら1人で食べてきな」
「優しくねぇ女だな!」
「望月になんと思われようが知ったこっちゃないよ」
ちづちゃんと望月くんの関係は相変わらずで…
望月くんの想いはちづちゃんに届いてないみたい
「杉浦!ちょっと来て」
二人の光景を微笑ましく見守っていたら、後ろを歩いていた柴咲くんに名前を呼ばれた
「…なに?」
柴咲くんとは、あの出来事以来まともに目を合わせてなかったから…正直つらい
まぁ、勝手に私が目を逸らしちゃってただけなんだけど…
「ん?望月から聞いてない?」
「なにを?」
柴咲くんの問い掛けに首を傾げると
小さい声で教えてくれた。

