「苺タルトとチ―ズケ―キを1つづつ下さい」
「かしこまりましたぁ!」
「お会計お願いします」
「少々お待ち下さぁい!!
「3番テーブルにお願いねぇ」
「はぁ―い!!」
…ぜぇぜぇ
ふう―。
「杉浦さん、お疲れさま」
「店長ぉ今日って平日ですよね?なんで今日に限って休日並みに混むんですかぁ―!?」
「ははっ。頑張ったご褒美に、いいものあげるよ」
そう言って、
店長が差し出したのは一枚の紙
「…なんですか?これ」
「ん―見てわかんない?」
「わかりませんよ」
唯一、その紙を見てわかることと言えば…
「地図ですよね?買い出しか何かですか?」
あっけらかんに答えた私をよそに、店長はとんでもないことを口にした。
「北城くんの家までの地図」
「…へっ?」
実は店長、私が北城さんに
ゾッコンなのを知っているのです。
だからシフトも、
北城さんと一緒の日に入れて
もらってたりして…
「届けて欲しいものがあるんだよ。これなんだけど」
「あっ、北城さんの…」
北城さんの大学のレポートだ。
昨日の休憩の時に、提出期限が明後日までだとか何とか言ってたっけ…
そんな大事なもん、
バイト先に忘れてきちゃうんだ
そんな北城さんのドジな部分に私の胸はきゅんとなる。
どうやら、恋の病は
そうとうな様です。

