「そいつ、そのベッドに寝かせといて。…うわっ、消毒液ねぇじゃん」



…冷静だなぁ北条さん



「杉浦、こいつ見てろよ。ちょっと薬屋行ってくるわ」


「はい」



初めて入った北条さんの家、

こんな状況じゃなければ喜べたのにな。





「…柴咲くん」


顔中が膨れ、身体中が痣だらけ


…なんで、こんな酷いこと




「…す…ぎ…う…ら…」


「柴咲くんっ!?」



柴咲くんの意識が戻ったようだ



「大丈夫!?病院行く!?」


「へ…いき。たいした…ことじゃ…痛っ」



起き上がろうとした柴咲くんは、そのままベッドに倒れ込んだ。



「ダメだよ、無理しちゃ!」



「…っ、てか…ここどこ?」



北条さんの家って言いたいとこだけど、柴咲くんは北条さんのこと知らないんだった…



「同じバイト先の人の家。柴咲くんをおぶって運んでくれたんだよ?」




「…まじかよ…その人は?」



「消毒液買いに行ってくるって出て行った」



柴咲くんの口の中はバッサリ切れていて、喋るのも大変そう…