いったいなんなの?



急いで音の聞こえる方へ走った。




…はぁ、はぁ



そこで見たのは、

私の知らない世界だった。




ドカッ


「黙ってねぇで、なんとか言えよ!人の客取りやがって!」


「……」


「葵さん、こいつ完全にシカトっすよ」


「ったく、まぢムカつく!」




ドカッ


「…ゲホッ」




私が見た光景は…


「杉浦っ!何かってに行くんだよ、危ねぇだろ?」


「………」


「おいっ、聞いてんのかよ」



数人の男達が柴咲くんに暴力を奮う姿…




「…柴咲…くん?」



男達は北条さんが来るなり逃げて行ったけど、そこに残された柴咲くんの姿は…それはもう悲惨な姿だった。




「知り合いか?」


「はい…同じクラスの子」




北条さんはうずくまって気絶してる柴咲くんを背中に乗せた。



「…とりあえず、俺の家に連れてくか。すぐ近くだし」


「…はぃ」



柴咲くんの変わり果てた姿を見て、冷静にいられない自分がいた。