「…遠足かぁ。懐かしいな」
「もう、計画立てるだけで疲れちゃって」
あの、花火大会の日の出来事から私と北条さんの距離は縮まった。
「まぁ、楽しんでこいよ」
「はいっ!」
あれ以来、茜さんがお店にやって来ることもない。
…でも、本当によかった
あのまま2人が寄りを戻すなんてことになってたら…
あぁ―考えるだけで恐ろしい
私じゃ、ぜんぜん勝ち目ないもんね。
「ぼぉ―っとしてないで、ちゃんと働けよ。この給料ドロボ―が」
ポカっ
「痛いじゃないですかっ!」
「あ~悪い悪い。頭なんか叩いたら、これ以上の馬鹿になっちまうな」
「もうっ!」
なんだか最近、妙に妹と扱いなんだよね。嬉しいと言えば嬉しいんだけど…なんか複雑
「なんか、今日寒いですね」
「そんなに足出してるからだろ」
バイト終わりも、北条さんと帰るのが多くなった。
「しょうがないじゃないですか、制服なんだから」
「あ―はいはい。制服ね」
まあ、これも
あの花火大会のおかげ。
焦らないで、頑張ろう
時間はまだあるし…
『“脱、妹”』だよね

