「…うっ…う…え…ん」
私はその場に泣き崩れた。
周りの人立ちの視線なんか、今の私には全然気にならない。
涙は枯れることを知らなくて、
私に一体どれくらいの涙を流させるのだろう?
…どこかで期待してた自分に腹がたち、自分の馬鹿さにむかついた。
私は兎に角、ここから出ようと人混みを掻き分けた
涙で黒くなった顔を誰にも見られないように俯きながらも、どうにかそこを出られたようだ。
「…って、ここはどこ?」
辺りを見当たしても、
目に飛び込んで来るのは山と畑ばかり…
人影なんてひとつもない。
「もしかして…迷子?そうだっ、携帯!」
携帯を開くと、どうやら圏外は免れてたようで…
よかった。ちゃんと使える…
携帯の光に、久々の灯りだとほっとしているとディスプレイの表示に気がついた。
『着信1件 北城さん』
何だかその文字が懐かしく思えた。
…どうなったんだろ
って、仲直りに決まってるじゃん。
今頃2人で…
チャラチャラッチャ-
チャラチャララッチャ-
聞き慣れた着信音。
お母さんかな…

