「…北城さん、茜さんのところに行ってください」
「は?なに言ってんの?」
私は、あの日から決めていた。
私はやっぱり…
どう頑張っても、
ただの女子高生だから…
大学生が高校生と恋愛だなんて、面倒なだけだよね。
大学生って、高校生から見たらけっこう大人な存在で…
大学生と高校生の距離って、
思ってたより遠いんだよね…
「花火も見れたし…なんか脚…痛くなっちゃって」
「……」
「やっぱ、馴れない靴なんか履くもんじゃないですよね」
「…お前はそれでいいの?俺があいつのところに行っても」
嫌だよ、嫌に決まってるじゃん
だけどさ…
茜さん、待ってるって言ってたし、ここで行かないでなんて言ったら
私って本当にわがままだけの、
ただの高校生(子供)じゃん。
そんな風に思われたくないんだもん…
「いっいいに決まってるじゃないですか!それじゃあ、私は帰りますから」
「……あぁ、わかった」
涙がでるのは、わかってたことで…
この涙が北城さんに見えないよう、私は後ろ向いた。
震える肩を必死に抑えながら、花火の大きな音に感謝をした。
「…家に着いたら連絡だけよこせよ。じゃあな」
そう言って、北城さんは人混みの中に消えていった。

