「あっりんご飴!あっちにはクレープがぁ!」
「はぁ?まだ食べんの?」
「食べ盛りなんですよ。あっ、ベビーカステラ!」
「…ふっ」
屋台の多さにテンションが上がる私は、そんな私を見て北城さんが笑ってることに気づかない
今日は大人っぽく振る舞うつもりだったのに、こんな好きなもんばっかの屋台を目の前にしたら…
「お前は花より団子だな」
「好きなだけ言ってください」
そんなこと気にして
いられないよね。
「花火って何時からですか?」
「…う~んと…6時…から」
…6時か…
あの女の人、来てるのか?
そりゃ来てるよね。
北城さんを想って待ってるんだよね。
北城さんをチラッと見ると、
やっぱし時間を気にしてる…
「…気になりますか?」
「なにが?」
「あの女の人のこと。約束の場所に6時って…」
「あぁ。心配するなよ、杉浦を置いて行けるわけだいだろ?」
…それじゃあ
私がいなかったら行ったってこと?
「なんつ―顔してんだよ。あと30分ぐらいだし、その辺ぶらぶらしてようぜ」
「…はい」
なんか、すごく不安になってきた。
北城さんはこう言ってるけど、実際はどう思ってるのかな?

