「なんで、ここがわかった?」


「俊くんから聞いた…どうしても…納得でき…なくて」




…なんか、修羅場みたい



てゆ―か、そりゃ北城さんはかっこいいけど…


こんな綺麗な彼女がいたなんて




「…どうする?出る?」


ちずが心配にそう言った。



確かに、好きな人のこんな状況を見てるのは正直ツラい…




だけど、見たくないって言えば嘘になる。



北城さんが、いま

この女の人をどう思ってるのか知りたい。





私は、ちずに向けて首を横に振った。






「…キョウのこと…今も…好き」

女の人のその言葉に

体がビグッと反応した。



こんな綺麗な女の人に、
泣きながらそんなこと言われたら…





「…悪い。帰ってくれ」



北城さんの口から出た答えは、私の想像を覆す言葉だった。




「…うっ…」


女の人はその場に泣き崩れた。



北城さんは、見ないように顔を手で塞いで目を瞑ってる。




一体、このふたりの間に何があったのだろう。





「…お願いだ。帰ってくれ」




北城さんのこんな苦しそうな表情、初めて見た。




「…わかった。でも…ひとつお願いがある…の」



「…なんだ?」




「もう一度だけ…ちゃんと話し合いたいの…だ、だから…来週の花火大会の日…6時にふたりの思い出の場所で…待ってるからっ」




カランッカランッ



女の人は、そう言って

お店から出て行った。




「はっ!?ちょっと待てよ…」




シ―ンと静まり返ったお店の中で、北城さんと目が合った。