あれ?
いつの間にか、
お客さんは私たちだけになっていた。
店長には悪いけど、
ほんとこの店ってお客さん少ないんだなぁって改めて実感…
ふと北城さんに視線を移すと、
眠たそうにアクビをしながらチラシを折っている。
平和だな―…なんて、
飲みかけの紅茶を口に含んだ
…その時だった。
カランカランッ
お店のドアが静かに開いた。
…やっとお客さんだ
「いらっしゃいま…」
ドアの方へ目を向けると、
女の人が立っていた。
色白で、顔が小さくて
目なんかまん丸。
髪は暗めの茶色で、胸ぐらいの長さだ。
こ―ゆ―人のことを、
綺麗って言うんだろうな。
私はその一方で、
北城さんの異変に気づいた。
「…なんで…いんの?」
どうやら、この綺麗な女の人は北城さんの知ってる人のようだ
「…キョウに会いたくて…」
キョウとは多分、
北城さんのこと。
北城さんの名前は京平だから。
私とちずちゃんはお互いに顔を見合わせて、お互いに考えてることは一緒だと確信した。
…そう、この人は多分
てか絶対に…
北城さんの元カノだ。