私の部屋に理杏君が入って来た。



尭耶さんが私を追い駆けて来てくれる…



そんな淡い期待が崩れ去ってしまった。


追い駆けて来てくれても…


私たちは一緒になれない。



他人を犠牲して成り立つ幸福なんて…私は嫌だから…



「ゴメン…僕じゃあ…ダメだった?」


「ううん…」


「僕を望んでないって顔が言ってる…でも…あれはどうしようもないだろ?」



理杏君は私の座っているソファーに腰を下ろした。



肩が触れる近距離…



理杏君が私の肩を抱いて来た。