皆で花火を始める。



煙と音とともに色とりどりの光を発する花火。



俺と菜々香ちゃんのひと夏の同居生活も終る。



由愛子に頼まれて…俺は玉の輿に乗りたくて…この屋敷に来て…菜々香ちゃんのカテ
キョになった。



打ち上げ花火が中庭の夜空に大輪の花を咲かせてゆく。



光と音が舞う中…。



俺の隣では菜々香ちゃんが眩しい笑顔で花火を見つめていた。



たくさんあった花火も儚い一瞬の光を放ち…消えていく。



「後は線香花火か…」