今までアタシの歪んだ性格を受け止められる奴が一人もいないから、アタシは独りぼっちなんだ。


そして今まで誰一人アタシの性格が歪んだ理由を聞いてこなかった。


けど、


優貴は、、、



『なんで、お前は人と接するのを拒むんだよ。』

『………から…』

泣きそうだった。

この声が精一杯だった。

『ん?』


『人が嫌いだから。怖いから……………それだけ。』

涙が溢れた。

涙は止まらなかった。


優貴はアタシを抱きしめた。


温かくて、安心して、再び涙が溢れた。



『泣くなよ。ごめんな。無神経なこと聞いて。』


優貴の優しさが胸にしみた。



『アタシこそ、気遣わせて、ごめん。』


ずっとこの時間が続けばイイと思った。


優貴はゆっくり身体を離して、アタシの唇をそっと塞いだ。


『ん…』



優貴はアタシの腰に手をまわして、ぐっと引き寄せる。



その甘いキスに溺れそうだった。



唇を離すと、優貴は、
『俺のこと、信じれる?』
と耳元で囁く。



『……。』
ふと、中学の時の出来事が浮かぶ。

裏切られるのが怖かったから、強い女を演じて、人から離れていた。
優貴の前では、素の自分になれる気がした。
甘えられる気がした。

この時から、アタシは誰も信じなくなった。

『由月のこと、絶対一人にしない。だから、俺のこと信じて。』



ぎゅっと抱きしめられ、涙が止まらなかった。


中学の時の嫌な思い出を優貴には知られたくなかった。


チャイムが鳴り、ハッと我にもどる。


たった10分だったのに、何時間にも感じられた。


優貴は身体を離し、アタシの頭を撫でる。


『しばらくここにいようか。』


アタシの泣き腫らした目を見て、優貴は座り込む。


『いつも、強気な由月が泣いて、俺に甘えてくれて正直嬉しかった。』

空を見上げ、優貴は顔を赤らめながらそう言って、アタシを見る。


優しそうな笑顔にイタズラな瞳。


そんな優貴に何回ドキドキしただろう。