夏海が後ろを振り返り、命令する。

夏海の横にいた、大勢の取り巻きが走ってきた



『夕姫奈、付き合わしてごめん。』

『別に。アタシ、ケンカ嫌いじゃないし。』

夕姫奈はアタシの方を見て、子供のように笑う。
















あれから、どのくらい時間が経ったのか。。。

辺りはもう真っ暗だった。

成学の奴らはフラフラしながらどこかに消えていた。


身体中、激痛が走る。


アタシはそのまま地面に倒れ込む。


夕姫奈も、ボロボロになって座り込んでいる。



唯は木に寄りかかり、空を見上げている。




『唯、夕姫奈、大丈夫?』
アタシはゆっくり立ち上がる。



『はーい。大丈夫です。久しぶりだな。ケンカとか。』

夕姫奈は手をあげながら立ち上がる。



『由月、夕姫奈、ありがと。』

唯は優しい眼差しで、歩いてくる。


『唯が無事でなによりです。美波とか、紗依とか、咲夜華とかは、元気?』

夕姫奈は唯に近づいて、顔を覗きこむ。




『元気だよ。3人と別れた直後に絡まれたから。』

『で、なんでアタシに電話したの?』


『一番最初に思い付いたから。』

唯は身体中についた砂や土を手で払いながら言う。


『それは光栄です。』


3人で顔を見合わせて、笑った。







『夕姫奈、顔傷だらけ!キャバ嬢どうすんの?』


アタシは夕姫奈の顔を指差す。



『由月なんか、血出てるし!』

夕姫奈は笑いながら、アタシを指差す。

『ウチら、ひどい顔』

唯は大爆笑している。


『さてさて帰りますか!唯、由月、またね!アタシ、今からバイトだから!』


夕姫奈は手を振りながら走っていく。



『由月、久しぶりにクラブ行かない?』

『いいよ。Shieruだよね。』

アタシ達はShieruというクラブに向かった。