不器用な恋



『ここね!』


中原さんはそう言いながらドアを開けた。



普通の診察室だった。


奥は本がたくさん積み重なっている。






ドアを開けると、そこには牧原さんが立っていた。





『牧原先生、姫城さん連れてきましたよ。あと、声は少し掠れてますけど、出るようになったみたいです。』



中原さんは牧原さんの横に車イスをとめながら、喋っている。





『声、出るようになったのか?』





牧原さんは車イスと同じ高さにしゃがみこむ。





『……ぁ……はい……一様……』






『そうか。』


牧原さんは立ち上がり部屋の端にある、机に乗った紙に何かを書き込んだ。









『姫城さん、右足の骨折は治りが早ければ、あと1、2週間で治る。でも、今飲んでる薬はこれから一生飲み続けてもらう。』