愛斗はアタシのお構い無しで自分の席に戻り、スクバを持ってきた。
『由月先輩さぁ、一応、俺と付き合ってるんだしさ、他の男と帰るのはないでしょ?』
『…ごめん………』
『で、越谷先輩のこと、好きになっちゃったか………』
愛斗はアタシにイタズラに笑った。
アタシは不覚にもドキッとしてしまった。
これは愛斗のことも好きってこと…――?
『いや、別にそういうわけじゃないけどさ……////』
『赤くなったってことは、まだ俺にも可能性あり?』
愛斗はいつもの笑顔で笑ってた。
『じゃ、由月先輩…行こ?』
愛斗はアタシの背中に手を回した。
ゆっくりゆっくり、校門まで歩く。
愛斗は優貴に気付いた途端に無表情になった。
『由月、お前はこの男を呼びに行くために俺をこんなに長い間待たせたのかよ?』
優貴は完全に怒っていた。
『いや、違くて……』
『由月先輩は俺の方が大事なんですって……越谷先輩?俺は由月先輩にどんなに待たされても、待ちますけど……――?』
愛斗は完全に優貴を挑発してる。
『は?俺を待たせていいのは、由月だけだし、由月をお前に渡すつもりはない。』
優貴はアタシを抱き寄せる。
『俺の女に易々と触ってんじゃねぇよ!』
ドスッ……――!
愛斗が優貴を殴った……――?
『いってぇな……年下のくせして、調子のってんじゃねぇっ!』
優貴は愛斗に殴り返した。
『………やめて……!!!』
いつの間にか、アタシから涙が溢れていた。


