不器用な恋

優貴はゆっくり身体を離して、アタシの髪を撫でる。



『なんで、この髪型なわけ?これ以上、綺麗になってどうすんだよ………由月は俺だけのものにしたい………』




『優貴………?アタシはそんなことで喜ぶような、女じゃないからね?』




『由月、声、大丈夫?掠れてるし……』


アタシは優貴の手を握った。






『ん……大丈夫。アタシ、早退するね……』




『じゃあ、送ってく。』




『…いい……よ……優貴には………迷惑………かけら……れないし………』




『迷惑じゃねぇし………むしろ、嬉しいから!』



アタシは頷いて、立ち上がる。




『優貴………松葉杖………』





『あぁ、わり………忘れてた………じゃあ、よいしょっと……』



『きゃ!?』



優貴はアタシを軽々とお姫様抱っこした。



『由月、軽っ!』




『愛斗とは、違うね…………』



『は?』



保健室を出て、廊下ではアタシ達、2人だけの会話が響く。



『愛斗と優貴はやっぱり違う。抱っこの仕方も、抱きしめ方も、優しさも…………』




『俺の前で他の男の話、すんな!』




『アタシ、今、愛斗と付き合ってるし………』




『でも、俺が好きだろ……?』



『愛斗も大切な存在だよ………』




それから教室に着くまで、終始無言だった。