いつもと同じ朝。
変わらない朝食。
鏡に映る、栗色のボブヘアー。くりっとした目。こげ茶の瞳。

でも、今日は違う。
待ちに待った、夢が丘高校の入学式。

あたし…春河優音は、この春、夢が丘高校の一年生。
赤チェックのスカートに、白のベスト。茶色のブレザー。
そして、胸元に赤のリボン。

『おしっ!!完璧!!』

今日37回目の身だしなみチェック。
念には念を、だ。

「ゆねー!!学校遅れるわよー!!」

ママの声に、恐る恐る時計を見る。。

8時15分…って、え??

『嘘ー!!遅刻するーーー!!!!』


慌てて家を飛び出す。
学校まで、走れば10分。
25分までに席に着くんだから…ギリギリだ!!


キーンコーンカーンコーン…

チャイムがなり終わる、少し前に、教室へ滑り込んだ。

『ま、間に合ったぁぁぁ……』


「よーし、これで全員揃ったな。体育館行くぞー、着いて来い!!」

担当の先生の合図で、みんなが席を立つ。
その中に、いつもの姿を見つけて駆け寄る。

『泉ー!!会いたかったよぅ。。!!』

「ちょっとー!!入学式から遅刻ギリギリなんて、優音らしくないわねぇ。。」

そういって、あたしをあやしているのは中学時代からの親友。霧原泉。
身長が高くて、ものすごく美人。ひそかに憧れてもいる。

『だってぇー!高校生だよ!?もー、興奮しちゃってww』

「そーゆーこと言わないの!!中学生感丸出しよ!」

そんなことを言いながらも、ほらいくよと言わんばかりに、あたしを引っ張る。

「入学式始まっちゃう!!はやく行こ!!」

気がつくと、周りにはだれもいない。。

『嘘ーー!やばいーー!!!』

泉と大急ぎで、体育館へ歩き出した。