『西城はまだ優ってやつのこと好きなのか?』



「好き…なんだと思います、たぶん。



でも優のこと忘れたい…。


未来は忘れなくてもいいって言ってくれたけど、

忘れないとずっと立ち止まったままだから………」


先生はイスから立ち上がり私の横に立つ。



『忘れたいって思う時点で…

そいつのこと考えてるのと、同じなんじゃねぇの??


仮にも忘れたとする。


それで…西城は前に進めるのか?


それで…西城は足を前に出せるか?


絶対に…とは言えないだろ?



だから俺は無理に忘れる必要はないと思うよ…』




先生は私の頭を撫でる。





そうすると少し高ぶっていた気持ちが落ち着いてくる。



もしかたら…このときに、私はもう先生に…



朝倉秋平という変な教師に…


”恋”をしていたのかもしれない………