『こっち見ちゃダメ』


と、先生に言われて素直にまた前を向く。




『無理して笑うのはダメだって俺言ったよな??』


私はゆっくりと頷く。



『無理して笑うのは…ダメだと思うけどさ。


でもやっぱり笑顔を忘れるなよ!

たった一度しかない青春時代だろ?
笑わなきゃ損だからな!!』




ねぇ…先生。。


そんなこと…なんで言うの??


私の笑顔の源は先生だって知らないの?



ねぇ…先生。。



『じゃあな!西城!!』


と、先生の声が聞こえて私は調理室を出た。



さっきの時間は夢だったのかな?


夢なら割り切れる。


でも頬をつねると痛いんだ。


イヤでも現実だって思い知らされる。



”零”じゃなくて”西城”って呼ばれるのは現実の証拠。


夢だったらきっと”零”って言ってくれると思うから。



私、頑張るよ。


あの言葉。

”俺はお前に嫌われたとしてもずっと零が好きだから”


この一言を糧にして私は前に進むよ。