「無理…無理なんかしてないもん。」


たまには…あるけどね?


先生の前ではとくに…


と、いう言葉を呑み込む。



『ウソもよくないと思うけど?』


少し元気がない先生の声。




「ウソなんかついてないもん。」


先生の目を見れない私は臆病者なんだ。


私は汗をかきつつある手をぎゅっと握る。



『なぁ…西城??』


真剣な眼差しで私を見つめる先生。



私はそんな先生から目を逸らす。



やっぱり臆病者なんだ…。



先生に見つめられるとウソがつけない。


だから目を逸らすんだ。



『西城…?目、逸らすなよ…』


私は深く呼吸をして先生の目を見つめる。




【ドキドキ ドキドキ】



私の心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うくらい緊張している。