「よしっ!じゃあ私、帰るね?」


やっと大量の洗い物を終え私は帰る準備をする。




『手伝ってくれてありがとなっ!』


帰る準備をしている私の背中に声をかける先生。



前ならきっと後ろから私を優しく包み込んでくれたよね??



って私…何考えてるの?


先生に別れを告げたのは自分からでしょ?



そう自分に言い聞かせる。




「じゃあまた卒業式にね!!」


作り笑顔を見せる。



私たち高校3年生は学校が休みに入る。



だから卒業式の練習以外は学校に来ない。



きっと卒業式の練習で先生に会うことはないから卒業式に、と言った。






『………なんで…無理して笑うんだよ?』


そんな呟きが聞こえた。



でも聞こえないふりをして調理室のドアに手をかける。







「…………先生??」



そうすると捕まえられた私の腕。