俺たちは学生時代の話に花を咲かせていた。
『俺…今度教育実習で先輩の学校へ行きます。』
一段落ついたところで俺は口を開いた。
『ウソ?!まじで??
浩介が教師とか……』
今にも笑い出しそうな秋平先輩。
『俺の妹がその学校に通っているんですよ。』
俺は先輩の出してくれたお茶を飲む。
『…………西城。』
秋平先輩は俺の名字を思い出し小さな声で呟いた。
『西城零。俺の妹です。
そして先輩の元カノ。』
俺は先輩の目をまっすぐに見つめる。
『浩介が零の兄貴か…。
考えもしなかったなぁ。』
秋平先輩は俺の目を見ようとしない。
『今日…零が泣いてたんです。』
『え…………??』
そんな俺の言葉に反応して秋平先輩は顔をあげる。
『俺…いくら先輩とは言え、零を泣かせるのだけは許せないです。
先輩は零のこと……
まだ、好きなんですか??』
少しの沈黙が流れる。