『西城は?お前は進路どうするの?』



久しぶりに先生と二人きり。



私の胸のドキドキは収まらない。

平常心を装って言った。


「進路…決まってないです。


ただ進学しようかな、

ってそれだけしか考えてないです。」


先生が近づいてきて私の隣に座る。



『なんかやりたいことは??』

先生はまっすぐに前を見つめたまま。


私も前を見つめる。


「まったくないです。


好きなことも趣味も何も…


だから将来の夢なんてものないんです。


未来は獣医って言うし

大和はパティシエって言うし

海斗も何か夢があるんです。


4人でいつも一緒だった。



なのに3人には何か夢があって、

私には何もなくて置いて行かれてる気がするんです。」


私は正直な気持ちを先生に話した。




そしてゆっくりと先生の方を向いた。



そうすると先生は優しく笑って言ったんだ。