「そういう微妙な顔?

顔に先生に会いたいって書いてあるしさ…。


そんな会いたいなら調理室行ってきなさいよ。」


コーヒーを飲む未来。


いつの間にコーヒーなんて飲めるようになったんだろ…未来。



「無理だよ………。

そんなことできるワケないじゃん。」


俯く私。



「まあそんなことできたらとっくの昔にやってるか…。


それよりさ零は進路決めた?」


普段あまり進路のことを口にしない未来。


なのに未来の口から進路のことがでるとは意外だな…。



「私??

まだ決めてないかな…。


やりたいこととかないし…。」


まだ夢が見つからない私。



一応大学に行くことは決めている。


だけど大学に行って何をやりたいとかそういう目的がある訳じゃない。



ただ大学に行けばいいかな…?


って単純に思ってるだけ。



「そっか……。」

未来の顔を見ると不安そうな感じだった。



「どうしたの?」

思わず聞いた私。



「なんか将来のこと考えるとすごく不安でさ…。


これからは自分で何もかもやらなくちゃダメで、

そういうこと考えると今まで親に頼りすぎてたのかな…。

とか、いろんなこと考えてさ。


高校卒業したらもう大人になるんだなって。


なんか高校卒業したくなくなってきた。」



ニコッと笑う未来だけど目がものすごく悲しそう。



でも未来の気持ち、よく分かるな…。



今までは早く大人になりたい、

ってずっと思ってたのに


高校を卒業する日が近づくにつれて

大人になるのはイヤだな…って


ずっと子どものままでいたいな、

って思うんだよね。