『じゃあ授業始めるぞ。』


先生が教科書を開いていると



「先生!目真っ赤だよ??」



前の方の女の子が先生に向かって叫ぶ。



『あっ!もしかして彼女に振られた??』


クラスのお調子者の男子が今度は叫ぶ。



『お前らうるさいぞ。


ほら、さっさと51ページを開け。』


先生は流そうと話を逸らす。


私の胸の鼓動が徐々に速くなっていく。



『先生!教えろよっ!!』


またクラスのお調子者が叫ぶ。



『ホントうるさいって』


先生は黒板に向き合う。



『先生の目が赤い理由知りたいよな?』


クラスのお調子者の男子は立ち上がりクラスのみんなに聞く。


そうすると

「『知りたい!!』」


なぜかクラス中が叫んだ。



私は先生から窓へと視線を逸らす。



でも耳はちゃんと先生の声を聞き取ろうと前を向いている。


面と向かって聞くのが怖かったんだ。



『ホントお前らうるさい。

言うから黙れよ??』


なぜかみんなの目が輝いている。


『ちょっと……

ってか、かなり悲しいことがあっただけ。』


先生はそれだけ言ってまた黒板に字を書き始めた。


案の定クラスからは大ブーイング。


そんなのじゃ、説明になってないよ…先生。


『これ以上は答えるつもりないから。』


先生は名簿を教壇に叩き付けクラスを黙らせた。


そんな先生の姿を見るのは初めてだった。



ねぇ…先生。。


私はかなり悲しませましたか?


もう何もかも分かりません。


それに先生に会ってしまったら
まだ好きなんだ、って痛感してしまいました。



ねぇ…先生。。



私が立ち直るにはまだ時間がかかりそうです…。