『じゃあそろそろ帰るな。



明日も仕事あるしね…。



あ゛ーっめんどくせぇ!!


零ともっと一緒にいてぇよ…。』


そう言って私を抱きしめる先生。



そんな些細な行動もいつものことなのに、


今日で最後かと思うと涙が溢れそうになる。




「今日は……下まで送っていくよ。」



コートを羽織る先生の後ろ姿に胸がときめく。



『まじで?!

でも寒いぞ?外…。』




「いいの……。


今日はそういう気分だから。」



私もコートを羽織りマフラーを首に巻き付ける。




部屋から駐車場までのほんの少しの距離でも手を繋ぐ先生と私。



手を繋ぐなんて慣れないことで変に緊張する。



先生は車を取ってくる、
と言って私をマンションの前に残し駐車場へ走っていった。




手を擦り合わせながら頭の中では言葉を考える。