「あっ…零のその顔は”初耳だ”って顔だね。



先生言ってなかったの??」



ニヤニヤ笑う未来。



『だって別れてからのことだし…。』



先生はちらっと私の事を見る。


別れてからのことでも教えてほしかったな…。



「私…今日バイトあるんだった。」


私は逃げるように調理室を出た。



別に…怒ってるワケじゃないよ?


本当にバイトだったんだけど、


そりゃあ少しは頭にきてるけどね…??


まだ、このときの私にはこれが

”嫉妬”

だってことは分からなかった。



『…ちょっ零!!』



後ろから先生の声と未来の笑い声が聞こえた。



階段を駆け下りていると先生から電話がかかってきた。



「…もしもし??」



『零…怒ってる?』



先生の声はすごく落ち込んでる感じ。



「怒ってないよ!!」



ほんの少しの怒りを抑えて答える。



『ホントに……??』


電話口からは未来の爆笑してる声が聞こえる。


未来、笑いすぎだよ。



「ホントだからっ!!


じゃあバイト行ってきます!

ばいばい!」


電話を切った後思わず顔がニヤける。



だって先生の声ホントに必死でおもしろかったんだもん