「どこ、行くんですか?」
私の家に行く道ではない道を通る車。
『俺んち。』
俺…んち………?!?!
はっ…?!?!
先生、今サラリと言ったけど結構すごいこと言ったよね…?
だって”先生の家”だよ?!
『行きたくない??』
信号で止まったとき先生は私の顔を見た。
「…行きたくなくはない。」
『え…??今のどういうこと?
行きたくなくはないって
行きたいの?行きたくないの?』
信号が青になり前を向いて真剣な顔で運転する先生。
「もうなんでもいいのっ!」
本当は行きたいって言いたかった。
でも素直じゃない私はややこしい言い方をした。
『はい、到着。』
いつのまにか車は止まっていた。
そして目の前にはごく普通のマンション。


