向日葵の咲く頃に

こうなってしまうと、姫羅木さんの頭の八割はきつねうどんと稲荷寿司に支配されてしまう。

天下の天狐が、一介の大学生に敗北した事は…。

「よい!よい!そのような事は些事じゃ些事!」

白くフカフカした姫羅木さんの尻尾が、僕と千春の腰の辺りに甘えるように巻き付いた。

「ほれ、急がんか二人とも!冬城の守り神はきつねうどんと稲荷寿司を所望じゃぞ!」

千年も生きてきたというこの町の守り神様は、それはそれは可愛らしく、まるで幼子のように。

「丁重にもてなすのじゃ!」

向日葵みたいな満面の笑みを浮かべるのだった。