役の人らしさがないのは、主演――狩沢久遠も同じなのだから、言い始めたらきりがない。
「見た目似てんだからいいだろドラゴン」
「いいよ? ダメとは誰も言ってないもん」
「しかし見事にもげたな、頭……」
天音は舞台袖に顔を突っ込み、奥を覗いてみた。
そこでは、休憩時間だというのに、大道具係が取れてしまったドラゴンの頭を修理しようと苦闘している。
ふと顔を上げて周囲を見渡した係の一人が、天音を見つけて声をあげた。
「ねえごめーん、ちょっとガムテープ取ってきてくれる? 演劇倉庫にあるから!」
「見た目似てんだからいいだろドラゴン」
「いいよ? ダメとは誰も言ってないもん」
「しかし見事にもげたな、頭……」
天音は舞台袖に顔を突っ込み、奥を覗いてみた。
そこでは、休憩時間だというのに、大道具係が取れてしまったドラゴンの頭を修理しようと苦闘している。
ふと顔を上げて周囲を見渡した係の一人が、天音を見つけて声をあげた。
「ねえごめーん、ちょっとガムテープ取ってきてくれる? 演劇倉庫にあるから!」