その階は照明係のテリトリーで、扉の先は講堂内部の二階部分につながっている。

二階と言っても、観客を入れられるスペースはない。



ただ照明係がスタンバイしていることに変わりはなく、天音と新川は息をひそめてじっとしていた。

この状態で他人に気づかれるのは、非常にまずいのだ。



やがて、新川が天音をおろして、そっと立たせた。



なんなの、と天音が口の形だけで問いかける。



「……誰か中から来そうだったから」

「そうなの?」

「見られると厄介だろ」

「うん……いや、そうじゃなくて」



周囲を見回して、誰の姿もないことを確認する。



「新川くん、さっき跳んだでしょ……はんぱない跳びっぷりだったでしょ」

「……跳びました」