自分の体をよく見てみると、右手から広がった筋模様は、肩へ昇り、胸元を通り、左腕にも届いている。

ドレスの裾をひらりとめくってみると、模様は膝から足首へ急速に降りてきていた。

呆然としているうちに、ついに足首まで制圧された。



「夢だ! これ絶対夢だ!」

「んなわけないだろ」

「……じゃあなんだって」



突然、新川が天音の口を塞いだ。



「黙ってろ」



そして次の瞬間には、天音は横抱きにされていた。



混乱している天音を抱えたまま、新川は走る。

演劇倉庫前を通り抜け、階段に迫った。

そして強く床を蹴り、あっという間に、踊り場まで跳んだ。



跳んだ。



二度目の跳躍で、一つ上の階まで辿り着いてしまった。