「ほら、立て」

「ごめん」



もぞもぞ立ち上がろうとしていると、新川が天音の手首を掴んで、そっと引き上げてくれた。

また助けられたのだ。

天音は、礼を言おうと顔を上げた。



「ありがと……え!?」

「え?」

「いや、ちょっ、その顔」

「顔?」

「どうなってんの!」



天音の腕を浸食しているのと同じものが、新川の顔を覆っている。

黒味を帯びた赤の、不思議な模様。



「待て、お前の顔もすごい」

「嘘っ」



つまりそれは、天音の顔も同じ状態になっているということだ。



「何これ……!」