「ごっ、ごめん遅くなった! ガムテープ!」

「もー待ってたんだからねー!」

「ごめんってば……」



係の一人が差し出してきた手に、天音はガムテープを載せた。



「休憩終わりー! みんな戻ってきて!」



舞台の方から、リーダー格の女子のよく通る声が聞こえてきた。

天音も舞台に戻ろうと、ドレスの裾をふわりとなびかせる。



「ちょっと待って天音」



急に右の手首を掴まれて、もう走り出していた天音は、その力に引きずられて尻もちをついた。



「どうしたの、この手」

「どうって……え?」



何かに怯えるような目をして、大道具係が天音の手に視線を落としている。

よくわからないまま、天音は自分の右手を見下ろした。



「……ええ!?」