新川はさりげない振りを装って床に散らばったペンを拾い始めたが、どうにも挙動不審だ。



「平気だし」



どう見ても嘘だ。

痛みを天音に言い当てられて動揺したのか、それから新川は一度も天音と目を合わせようとしない。

天音が黙りこんでしまった新川を眺めていると、ペンはあっという間に新川の大きな手の中に集められた。

色とりどりのペンが、まるで花のように束ねられている。



「じゃあ別の話。何で来てくれたの?」

「……お前が呼んだんだろ」

「ん?」

「ほら、『誰か助けて』って……あれお前だろ」