The passing heart




まだ濡れたクリームブラウンの髪に指を通す。


あの人とは全く違うストレートな髪。同じなのは髪色だけ。



ぼーっとしているとベッドの上の携帯が震えた。

奏翔からのメール。

「今日の夕飯シチュー!」
とシンプルな内容。
しっかりとシチューの写メも送ってきた。



何だか可笑しくなってフッと笑うとまた、携帯が震えだした。

今度は着信。


「もしもし」
「シチュー食うか?!」

開口一番それかよ。

「もう食べたしいいよ」

「家くる!」

プー・・・プー・・・

一方的に切られた。