奏翔の額にはうっすらと汗が滲んでいた。


「で、どうした?」


「どうもしてないよ」

奏翔の事で泣いていたなんて言えない。

「じゃあ何で泣いてたんだよ?」


「別に」


「話したくないなら無理には聞かねぇけど、本当に辛くなったら言えよな」


「・・・・・・・」


「よしっ、じゃあ帰るか」


「・・・・うん」


そして、あたし達は海を後にした。