「ぶっ」
「な、なによ!」
いきなりふきだした奏翔にほんっとーに腹立つ!
「わりぃわりぃ。やっといつもの蓮に戻った」
「え・・・・・?」
「しけた面してんなよ。蓮はバカみたいにヘラヘラ笑ってろ!」
あたしの頭をグシャッと撫でて笑う奏翔に思わず涙が出そうになったけど精一杯の笑顔を奏翔に向けた。
そうだよね・・・。
あたしは笑ってないと!
『蓮には笑顔が一番似合う』
『そうよー。蓮ちゃんは笑顔が一番可愛いもの』
『そうだぞ!蓮はいつもみたいに笑ってなさい。蓮が笑うと父さん達も嬉しくなる』
あたしが泣いた時は必ず尚兄ちゃんとお母さんはそう言ってくれた。
もちろんお父さんも。
いつも明るいお父さん。
あたしが泣くとお父さんも悲しげな表情してた。
でも、すぐ優しいいつもの笑顔に戻ってあたしに元気をくれていた。